第131回月例セミナー(対面・オンライン開催)

2023年7月21日
講師 国土交通省 海外プロジェクト推進課 企画専門官 富澤洋介氏

テーマ:「インフラシステム海外展開行動計画2025と、海外展開支援」

講演内容:OECDデータをもとに、みずほ銀行が試算(2016年)した世界のインフラ投資必要額は2016~30年累計で約44兆ドル(約6160兆円)。アジア開発銀行(ADB)の試算では、アジアでの投資必要額は、同年累計で約26兆ドル(約3640兆円)。
 国交省はこの膨大な需要をインフラシステム海外展開によって、日本経済に取り込むことが重要と述べている。また、日本の経済成長の実現を目指すために①カーボンニュートラル、デジタル変革に対応し、日本経済成長を実現させる➁展開国の社会課題解決やSDGs達成への貢献③自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現―の3本柱を立てた。また、2025年のインフラシステム受注額の目標を新たに34兆円掲げた。さらに岸田首相によるトップセールを年間10件以上の目標を設定した。
 国交省が次のステージに向けた公的支援として➀オーストラリア西シドニー新空港周辺開発計画➁インドネシア・バリ島海岸保全事業(総事業費推計118億円)。入札は2023年行われる見通しで、受注・成約に向けて後押しをする③ジャカルタ下水道整備事業も協力支援する。 政府が今年6月に決定した「インフラシステム海外展開戦略2025」追補や国交省で実施した企業へのヒアリングの結果を踏まえ、4つの重点分野への取り組みを深化させ、オファー型協力の支援と連携を行う。さらに日本企業の海外事業の参入に向けた支援も強化する。また、オファー型協力の実現に向けて、JRТT、UR、NAAなどの活用やJОIN、JICA、JBIC、NEXなどの関係機関と連携を推進する。

第131回月例セミナー 清水建設本社会議室
清水建設本社会議室