第116回開催(オンラインセミナー)

11月25日、2021年

第116回開催(オンラインセミナー)

2021年11月25日 講師 青木一朗氏 アジア開発銀行(ADB)

テーマ:「ポストパンデミックの官民連携事業とADBの取組」

講演内容:ADB開発加盟国のインフラ需要推計は、毎年GDPの5%程度の新規投資が必要と仮定すると、2021-2025年にかけては年3500億から5000億ドル程度と推計している。予測される今後の市場環境は、経済復興による新規建設需要は、老朽化に伴う施設更新需要や、教育、医療の新分野への対応、さらにデジタル、衛星の新技術の需要は旺盛である。また、少数の良質案件へ資源が集中しており、良質案件の形成が今後のカギとなる。パンデミック後の経済復興は、包括的成長に主眼を置くことを提唱した。そのためにインフラ投資を優先的に支援するほか、温室効果ガス排出削減、気候変動・環境変化への耐性強化、デジタル技術の導入と応用、循環型サプライチェーンの実現、気候変動へのより積極的な対応を行うとした。今後は緩和策から適応策へ軸足をシフトさせ、水供給、排水処理施設を整備し、洪水への対応を強化する。地熱発電や低水量に対応した水力発電、さらに強風や豪雨、洪水などから守る施設を整備することなどを挙げた。また、アジアにおけるPPP事業の課題についても話し、とくにPPPの契約内容やリスク配分、PPP活用方法やPPPに適したプロジェクトの選定などについて詳細に語った。